利用者さん全員で作った作品が受賞しました
 新年あけましておめでとうございます。医療デイケアげんき村サロン2番館です。旧年中はい
ろいろとお世話になりました。今年も皆様のご協力とご理解の程、よろしくお願いします。
 さて医療デイケアでは、毎年利用者様が作製した1年間の作品を展示し鑑賞する作品展を3月
中旬から4月初旬に行っています。この目的は、当院の開院式に合わせ多くの方に観ていただく
ように行っています。また、他の施設、病棟からの嬉しい言葉かけや励ましの言葉を受け、利用
者様やスタッフのモチベーションにつなげています。
 もっと意欲につなげられるようにと月刊デイの作品コンクールに応募しました。節分に間に合
うよう、1月から鬼の制作に全員で取り組みました。作り方は水風船を膨らませ、その上にちぎ
ったトイレットペーパーを水のりで貼り重ね、厚みにむらが出ないようにするのが難しかったで
す。乾燥したら風船をはざし、絵の具で顔とパンツを色塗りし、乾燥したら顔のパーツを書いて
もらいました。球体の顔にパーツを書くのは皆さん苦労していました。そして紙粘土で角を作り、
髪の毛を付けて個性豊かな鬼がたくさん仕上がりました。これらを作業療法士が手伝いながら行
い、見事入選し、賞状と賞品をいただきました。
 これを機会にさらなる向上に努め、この秋にはおでんの作品にチャレンジしました。具材は、
ちくわ、さつまあげ、じゃがいも(新聞紙、サランラップの芯、茶封筒)、糸こんにゃく(靴ひ
も)、卵(卵の殻)、こんにゃく、大根(厚紙)、結び昆布(包装紙)です。鍋(新聞紙)や出
汁つゆ(サランラップ)も作り、より美味しそうになるよう湯気(綿)も作りました。苦労した
点は、出し汁が染み込んだ具材の色具合を出すため何回も色の調整を行いました。また、立体的
に見えるように具材の並び方も工夫しました。
 今回の作品も月刊デイに応募し、利用者様のモチベーションと活力につなげていければと思っ
ています。

 ●お問合せ先
 遠江病院通所介護
 医療デイケア げんき村サロン2番館
 担当:松井・小林  TEL 588-1880              
   
 
 
   
 メディカル プロファイリング  

 2020年、男性のがんの羅漢者数で1位になるという予測が―――
   前立腺がん

 かつて、日本人には少ないといわれていた前立腺がんを患う人の数が、ここ数十年で非常に
 増えています。
 前立腺がんには、死亡リスクを大幅に減らす方法があります。
 それは、「50歳を過ぎたらPSA検査を定期的に受ける」ことです。

   
   
◆ 前立腺と前立腺がん
 
前立腺は、精子と卵子の受精を助ける働きをする前立腺液を分泌する器官です。前立腺は男性
の生殖器官にのみ存在します。このため、前立腺がんになるのは男性だけです。
 この前立腺に「悪性の腫瘍」ができた状態が前立腺がんです。前立腺がんの発生には男性ホル
モンのバランス変化の影響が考えられています。
 ちなみに、前立腺に「良性の腫瘍」ができて前立腺が大きくなる病気を前立腺肥大。前立腺肥
大によって尿漏れや頻尿といったさまざまな症状が起こることを前立腺肥大症と呼びます。
 前立腺に現われるこれら3つの病気で特徴的な点は、前立腺肥大が前立腺肥大症になることは
あっても、前立腺肥大や前立腺肥大症が前立腺がんになることはないということです。


◆ 高い成果をあげるPSA検査
 前立腺がんは、早期発見できれば高い確率で寛解(完治とはいえないが、病状が治まった状態)
が可能です。
 しかし、前立腺がんの初期段階では自覚症状に乏しいため、がんが転移して腰や下肢に痛みが
生じるようになってから受診するケースが多く、死亡数増加の一因にもなっています。
 前立腺がんを早期発見するためには、「PSA検査」を受けることがもっとも有効な方法です。
PSA(前立腺特異抗原)とは前立腺から分泌される糖たんぱくのことです。前立腺がんを発症す
ると血液中のPSAが増加するため、PSA値を調べることでがんの早期発見を行ないます。
 PSA検査はスクリーニング検査とよばれるもので、少量の血液を採取する血液検査によって行
われます。
 前立腺がんの発症者はアメリカやヨーロッパでは以前からとても多く、欧米では早くからPSA
検査が取り入れられてきました。PSA検査の成果に関する報告も行なわれていて、例えば、オー
ストリアではPSA検査が開始されてから約20年で前立腺がんによる死亡率が60%以上の低下。
アメりヵでは40%近い低下が報告されています。

◆ PSA検査はどこで受けられるか?
 前立腺がんは、40歳代までは発症する人が少ないのに対して50歳を超える頃から患者数が急
増し、さらに年齢を重ねるごとにその数は増えていきます。
 こうした点を踏まえて、PSA検査は1回や2回で終わらせるのではなく、50歳を超えたら年に
一回、定期的に行なっていく必要があります。
 ところで、PSA検査を受けるにはどうすればよいのでしょうか?
 PSA検査を健康診断に取り入れている自治体や健康保険組合が増えています。ただ残念なこと
に、すべての健康診断でPSA検査が行なわれているわけではありません。PSA検査を受けるもっ
とも簡単な方法は、かかりつけの病医院で検査することです。PSA検査は、ほとんどの病医院で
行なうことができます。ぜひ、かかりつけの医師に相談してください。



生活ホットニュース ●● かかりつけの歯科医 ●●


 噛む力や飲み込む力の衰えは、誤嚥性肺炎(唾液や飲食物が、食道ではなく気道から身体に入
ってしまうことによって起こる肺炎)を引き起こす原因になります。口腔機能の維持と向上は、
介護の現場にあっても、とても重要な取り組みとなっています。
 介護保険で利用できる在宅サ―ビスに、「居宅療養管理指導」があります。これは、医師や薬
剤師、そして歯科医師が要介護者のご自宅を訪問して、療養における指導や管理を行なう仕組み
です。歯科医師の場合でみると、要介護者のお口の状況を診断し、管理指導が必要と判断される
場合は、
① 介護支援業者に対して、介護サービス計画の策定に必な情報を提供します。
② 要介護者とその家族に対して介護サービスを利用する上での留意事項を含め、口腔衛生ついて
 指導、助言、管理を行ないます。
介護が必要となったとき、「かかりつけの歯科医」がいれば、通院していたときからの継続的な
管理指導が受けられるので不安が軽減できます。
 日本歯科医師会の調査によると、かかりつけの歯科医を持っていると答えた人は67%にのぼり、
70歳代では9割近くに達しています。まだ、かかりつけの歯科医がいないという方や、介護を
必要とされてる方のお口の健康について相談できる人がいないという方は、ぜひ、かかりつけの
歯科医を持つようにしましょう。
   
 健康情報誌「こんにちわ」令和2年1月号より(資料提供:メディカル・ライフ教育出版)